Lifeisbicycle

TIME乗りのヒルクライマーなつぶやき

最大パワーを出すためのサドル高は?

先日チームメンバーのTTさんのstravaを見てたら、1000W超えたって書いてあった。1000WはTTさんの目標らしい。
ふと瞬間的な最大パワーを出すことに特化したポジションとかあるのかなと思って、ネットを調べたらとある文献を見つけた。

短時間の全力自転車ペダリング運動における座位姿勢の相違が筋活動および最大パワーに及ぼす影響

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm1949/52/2/52_2_167/_pdf

 

■検証内容

ざっと見た感じ、High(股下×0.95)、Middle(股下×0.90)、Low(股下×0.85)の三種類のサドルの高さで5秒間ペダリングする際の最大パワーを計測して、どれが一番最大パワーが出たか検証するってな具合。

上の文献では、以下の計測結果から、以下の結論を出している。

■計測結果

1.3回転の最大パワー High > Low

2.骨盤傾斜角度 High = Middle > Low

3.膝関節最大伸縮角度および屈折角度  High > Middle = Low

4.脊柱起立筋および大腿二頭筋におけるmEMG High > Low

5.Heighにおいては、3回転の最大パワーと大殿筋におけるmEMGとの間に有意な正の相関関係が認められた。
 また、3回転の最大パワーと大腿二頭筋および外側広筋におけるmEMGとの間に正の相関傾向が認められた。

■結論

1.~5.により
5秒間の全力ペダリング運動において,シート高の変化による座位姿勢変化は下肢筋群,特に股関節伸展筋群の筋張力および最大パワーに影響を及ぼす可能性があることが示唆された

 

なるほどわからん。

自分なりに解釈すると、
シート高を(股下x0.95)で前傾の深いポジションにすると、股関節の伸縮が大きくなり、股関節がダイナミックに動く。
それにより脊柱起立筋および大腿二頭筋、外側広筋が活発に動き、さらに大殿筋もダイナミックに動くことにより、筋張力が増し、大きなパワー(最大パワー)が出る可能性があるよってことか。

確かに筋肉は大きく動かす(伸縮する)ほうがパワー出るし、よくパワーを出すには高くて遠いポジション、ケイデンス重視なら近くて低いポジションって言われるけど、改めてなるほどって感じです。
けど、これはシッティングでの計測なので、実際のスプリントだったらダンシングになると思う。
当たり前だけど、高いポジションは低いポジションに比べて空力が悪くなるしね。

以前チーム内で、ダンシング(スプリント)の場合のお尻の位置はどこが最適なのかって話になったけど、この文献からすると、前傾が深く、股関節と大殿筋の伸縮が最大になる場所。
身長170mm 股下75cmでシート高が基本の高さ(股下x0.87)だとすると、シート高は 75 x (0.95 - 0.87) = 6cm
サドルからほんの少し腰を上げるだけでいいことになる。

この文献だけでダンシングのお尻の位置を決めるのは早計な気がするけど、指標の一つとしてはありかな。

あとは実際に試してみて信憑性があるか確認するのがいいと思う。

 

栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング

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